少し無理がある。正直そんな印象だった。マンガでも小説でもいいが、原作の映像化には2通りの方法がある。1つは原作を尊重して忠実に再現する法。そしてもう1つは、原作を基盤としながらも映像の文法で制作する法。「働きマン」は完全に前者に当たる。俺が言いたいのはソコだ。
何年か前に、NHKのインタビュー番組「トップランナー」に小説家の石田衣良がゲストとして出ていた事があった。その番組で石田衣良は、かなり詳細に小説を書く事について語っており非常に参考になったのだが、その中で、直木賞受賞作「4TEEN」の映画化・マンガ化についてこんな風に述べていた。
「映画には映画、マンガにはマンガの『文法』のようなものがあるのだから、好きにやってくださいと言いました」
「働きマン」のテレビドラマを見ていて思った事。原作を知らない人は果たして楽しめるだろうかという事。確かに主演の菅野美穂の演技は素晴らしかったと思う。ただ、テレビドラマとしてはどうなのかという事。
「世界の中心で、愛をさけぶ」。原作の映像化に成功した好例である。俺は小説は読んだが映画は観ていないので、全体的な評価は周囲の反応を見ての事だが、この作品、映画の評価が非常に高い。そして、小説・映画、共に味わった人に言わせると、内容が少なからず異なると言うのだ。小説については、読んだ俺の意見を言わせてもらえば、売れてはいるが大した事はない。つまりこの作品、映画の出来がかなり良かったと推測される。そしてそれは、「映画として」良かったのである。
メディアが異なれば表現方法も異なる。決して楽しめなくはないが、テレビドラマ版「働きマン」は、概して良くできているとは言えない。マンガや小説を原作とした映像化が進む昨今、もう少し「作品」を大切にした制作を心掛けて欲しいものだと思う。




