非正規レジスタンス。石田衣良の代表作、池袋ウエストゲートパークの第8弾である。主人公のマコトが、Gボーイズの助けを借りながら、事件を解決していく。ストーリー的には、1つのパターンができているものの、それがやんちゃな少年目線で語られ、扱われるのが面白い。
本書には、4つの物語が収められているが、ここでは表題作、「非正規レジスタンス」を取り上げてみる。
主人公のマコトは、偶然知り合った、派遣で働くサトシを通して、ネットカフェで寝泊まりするフリーターの現実を知る。働いても働いても抜け出せない現実の中においても、誰もうらまない、自己責任なんだというサトシの言葉に衝撃を受ける。そんなサトシを襲った、派遣会社「ベターデイズ」の不正を暴くべく、マコトは調査を開始する…。
この物語が良く出来ているのは、その突っ込んだ取材のためだろう。ストーリー自体は、毎度お決まりのものだが、その事細かな取材ゆえの説得力が、読むものをより引きつける。もしかすると、この「池袋」シリーズで、石田衣良はこういった活動をやっていきたいのではないか。「小説」という場を使って。
さて。小説の主人公というものは、どこか著者とダブっている事が多いものだが、この物語でも例外ではない。主人公の真島誠には、明らかに著者の考えが投影されている。石田衣良の姿がそこにある。たとえば、マコトのクラシック好きなど。そういった、著者の、石田衣良の「ヒーロー像」が見られるのも物語を読む楽しみなのである。





