いち早く「ありふれた奇跡」のレビューを書くこととなった。現時点でまだ第2話までしか放送されていない。ただ、脚本が山田太一であること、ドラマが現代版「ふぞろいの林檎たち」と言われていること、主題歌にエンヤの同名曲を採用していること、など話題度は決して低くない。
auのイメージキャラクターというだけで仲間由紀恵を嫌悪(笑)している俺がこのドラマを観ようと決めたのは、しかし、決して今書いた話題点に拠るものではない。年末に買ったTVガイドで紹介されていたドラマのストーリーを読んで、単純にコレが面白そうだと思ったのだ。
ドラマは、陣内演じる藤本が、列車に飛び込んで自殺しようとしたのを、偶然助けた(止めた)中城加奈(仲間)と田崎翔太(加瀬)を軸に、その人間模様が展開される。主要な人物が少ないにも関わらず、物語に魅せられるのは、「感情」を大きく表現しているからだろう。山田太一は、1人1人を非常に丁寧に扱う。
第2話の最後の場面では、「俺はこういう人間です」と上着を脱いだ田崎翔太に、店員が「困ります」と上着を着るように言ったことに対して、中城加奈が怒って2人で店を飛び出してしまうというシーンが描かれる。
店員が差別的発言をしたのでもなければ、上着の下の作業服に問題があったわけでもない。それは中城加奈も解っていた。それでも彼女はそうせずにはいられなかった。
この、一見過剰とも取れる彼女の「感情」を描くところに山田太一の人間洞察の鋭さを見る。そして中城加奈は言う、「私って変?」と。
もう、何をか言わんや、だ。今シーズン必見のドラマである。




