紙とペンを捨てよ

取材というものを考える時、書くスピードが遅いのが、最大の悩みだった。しかし、取材の大先輩いわく、できるだけ書くな、と。

取材に関してよく言われることに、本当に良い取材をするためには、まず紙とペンを捨てよ、という名言があるのをご存じだろうか。

例えばテープレコーダー。出した瞬間に、取材相手はどれだけ緊張するだろう、と考える。その緊張感を考えたら、紙とペンを捨てよ、の精神も見えてくるというものだ。

そのためかどうかは解らないが、ノンフィクションの世界には、「暗記取材」というものが存在する。要は、ポイントポイントとなる言葉を覚えておいて、取材後にその穴を埋めてゆく、というものだ。紙とペンを捨てることが、どれだけ大事かは、世にあるノンフィクションの傑作が、多くこの「暗記取材」によって書かれていることからも、容易に了解できる。

さて。では、俺は今回の取材で、「暗記取材」を試みるのか。実はそれも考えた。だが、それでは大先輩に言われた、書く癖をつけるな、という教えに反することとなる。

全くノートを取らない、これが俺が出した答え。全ての取材にこの方法が通用するかは解らないが、取材準備を進める内に思ったのだ。書かなくてもいける、と。

これから取材を繰り返す中で、もちろん「暗記取材」も習得していくことになるだろうが、ふと、取材の原点に立ち返った時、何も使わない取材というものが、とても大切に思えたのである。まあ、場合にもよるだろうけど…(笑)



« 俺の新しい人脈、加藤わこさん
» ”いちごjam”第三弾、スタート!

コメントをどうぞ